富山「くすのき」訪問記|熟成・発酵を生かした春のコース

富山・くすのきのマグロの一皿

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富山市千石町の「くすのき」を訪れたのは2026年の春です。費用を自分で払っていない席でしたが、店からの料理提供や取材協力を受けた記事ではありません。

最初に出てきたのは、白いパンナコッタにスナップエンドウを散らした皿でした。緑のオイルが一筋。皿の余白のほうがずっと広く取られています。お品書きには「東農園スナップエンドウ」とありました。

富山・くすのきのコース最初の一皿
目次

発酵と熟成を軸にした店

公式サイトによれば、くすのきは発酵と熟成を料理の軸に据えていて、調味料はすべて自家製。火入れにも重きを置くといいます。その説明が何を指しているのかは、皿が進むほどはっきりしてきました。

コースの内容は季節と仕入れで変わります。現在のメニューと料金はくすのき公式サイト・予約ページで確認してください。

いちばん記憶に残ったのはマグロだった

グレーの石皿の中央に、深い赤の塊がひとつ。表面に赤い粉が薄くかかっています。お品書きには「マグロ」と「熟成蜂蜜」が並んでいました。

熟成で素材の味を引き出す、という言い方はよく聞きます。ただこの皿は、余白の取り方まで含めて、その一点に絞りきっていました。

富山・くすのきのマグロの一皿

イカ、そして発酵スパイス

マグロと並んで印象に残ったのがイカです。お品書きには「ホタルイカ」「氷見・アオリイカ」、そして「発酵スパイス(辛)」の表記があります。

白い浅鉢に小さな身がひと山、上に橙色の粒が散っています。独自のスパイスや発酵の使い方にいちばんこだわりを感じたのは、このあたりでした。

富山・くすのきのイカを使った一皿

魚が続き、但馬玄へ

素焼きの器に薄く引いた身と、紫の小さな花。氷見の魚が続く区間に入ります。

富山・くすのきの魚の一皿

皮目を焼いた切り身に、ハーブとソースの点がいくつか。お品書きには「氷見イサキ」「氷見サワラ」の名があります。

富山・くすのきの焼いた魚料理

波型の器に敷いた紙の上で、白い身がふたつ焼かれていました。

富山・くすのきのコース中盤の一皿

肉は但馬玄です。黒い石板に丸く成形した一皿と、きのこ、ししとうが添えられていました。

富山・くすのきの但馬玄の一皿

土鍋ご飯まで落ちない

終盤の土鍋ご飯がよかったです。黒い器によそわれたご飯に具が混ぜ込まれていて、汁物が添えられます。

富山・くすのきの土鍋ご飯
富山・くすのきの土鍋ご飯に添えられた汁物

締めは、木の器にひとつだけ置かれた白い球体でした。

富山・くすのきのコースを締めくくる一皿

一皿ではなく、一貫性の店

マグロもイカも土鍋ご飯もよかったのですが、この店について書き残しておきたいのは、そのどれか一つではありません。熟成、発酵、火入れ、自家製の調味料。考え方がコースの最初から最後までつながっていて、仕込みにどれだけ手をかけているかが皿の構成から逆算できます。

派手な言葉で飾らなくても輪郭が残る。そういう店でした。

予約について

店舗からの招待・料理提供はありません。2026年8月9日時点の公式予約ページでは、Special Menuが16,500〜22,000円(税込・サービス料別)、8杯のペアリングが8,800円(税込)と案内されていました。現在の参考価格であり、訪問時とは内容が異なる場合があります。

コース内容、料金、営業日、キャンセル条件は変わることがあります。予約前にくすのき公式サイト・予約ページでご確認ください。

宿を合わせて探す

くすのきはコースに時間がかかります。富山市内に宿を取っておくと、夜の予定を気にせず最後まで楽しめます。

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